2013年6月30日日曜日

健康日本21推進連絡協議会 「13年の歩み」(生涯学習3)

<特集>
健康日本21推進連絡協議会 「13年の歩み」 (ウエルネスウォーカー抜粋)


[寄稿]

 井 上 成 美
 社団法人 日本ウオーキング協会 理事

 健康日本 21 への今後の期待


 人の一生は、人と人との関わりの連続であると思われる。
 個と個、個と集の関わりが社会構造であると捉えて良い。
 この相関関係性の中で「生きる」というテーマを抽出してみると、人の生きる意味的な価値は無限である。そして多様な価値が生じる。
 個は生を受け身体を資本として色々な学問や体験、体感を経て成長し、社会と関わり、知的資産、財的資産という成果を挙げていく。
 やがて成熟し、衰退期を迎え死と向かい合う。
 日本の社会は生物学的な見地から観れば成熟人口と衰退人口が増加し、社会資本としては負のスパイラルを迎えようとしている。
 今 Aging が大きな社会問題とされているのは、生物学的視点による負の理論に基づいているからである。
がしかし、実は Aging の問題は実に多角的であり、多様性に富んだ意味を持っている。
 エイジングが持つ 1 つの意味に、チーズやワインが円熟しまろやかになり、芳醇な香りと味わいを呈するという言葉を持つ深さがある。
 高齢者をこのような視点で捉えるジェロントロジーという研究分野がある。
 ジェロントロジー的視点から観れば、高齢者は円熟した存在ともいえる。
 社会と関わり、積極的に自分が獲得した資産を社会に還元しようともしている。
 その為に健康でありたいと願って生きている人が多いのもまた事実である。
 私は、個は今や覚醒していると思う。この価値を活かすべきであると思う。
 そのような生き方を支援する社会が望ましい。
 加齢の研究は身体的機能のみで語られる事が多く、その心理的な価値、知的円熟した価値の活力活用には目が向いていないと思える。
 そこで、心身のバランスが保たれ健全で QOL のある人生を過ごしてもらうための健康づくりに日常的にも非日常的にも取り組めるのが運動としてのウォーキングの存在意義がある。
 誰でも、どこでも、いつでもできること、それがウォーキングが持つ秀でた特性である。
 また、ウォーキングが持つ下肢の機能の運動は、生きること即ち、自立の道づくりであり、スポーツの原点でもある。
 我々はもっと下肢の機能を科学的に捉え、運動生理学、スポーツ医学、ストレスなどの精神医学、社会環境学、社会心理学など幅広い分野からの視点も加え単 に歩くウォーキングではなく楽しく生きるため、自立して生きるために必要な下肢運動の表現としてのウォーキングとして位置づけ、健康日本21 運動推進を 1 つの大きな追い風として幅広く捉えて子どもの体力、気力づくりから円熟したシニアの生き甲斐づくりまで、獲得した資本と資産を活かし養った資産を活用して いただき、ウォーキングが楽しく生きることの一助を担う存在でありたいと願っている。


出典URL:http://www.kenkounippon21.gr.jp/pdf/kenounippon21_13th.pdf
本文P.55~56
P.56pdfに「健康曲線と健康資本バランスシート」GERONTOLOGY SPORTS LABORATORY図面あり。
<参考資料>
http://www.gs-lab.jp/pdf/con_001.pdf

0 件のコメント:

コメントを投稿