2011年4月29日金曜日

力強いノルディックウォーキングの実現

ところが残念なことに市街地は舗装路面だから突き刺さらない。結果として推進力を発揮できないためプレイヤーは野山と同じような感動を味わうことが出来ない。しかしなお人々はアスファルト・パットを装着し、メーカーの言うように市街地をノルディックウォークするも、実際問題現在のストック設計では弱々しい推進力しか獲得できないのが正直その実態である。つまり、真似事の似非(えせ)ノルディックウォークにとどまっているのが現状なのである。

2011年4月19日火曜日

大震災と原発事故の優秀な記事を紹介


科学技術立国のおごり…世界が「日本人」を考えた(産経)
2011.4.19 14:19

 1000年に1度という大地震・津波と原発事故。歴史上例がない災いに「我慢」の精神で立ち向かう日本人。4月18日にはトヨタ自動車が東日本大震災の影響で停止していた車両生産を再開し、これで国内の主な自動車メーカーがほぼ5週間ぶりに全工場での生産再開にこぎ着けるなど、日本人は困難にもひるまず復興への道を歩んでいる。東と西、伝統と超近代が交錯する日本とは何か。今、世界の知識人たちはかき立てられたように日本を論じている。(SANKEI EXPRESS)

文明鍛えた自然の猛威

 東日本大震災は、日本や日本人の特性を世界に強く印象付けた。それは3月11日の地震発生直後にフランスの政治学者ドミニク・モイジ氏が言った「自然が挑戦する日本」「破壊と復興」を繰り返す日本の特殊性だ。

 モイジ氏は繰り返し訪れる破壊を乗り越える力に、「西欧文明にはない集団的な規律、運命とそれへの抵抗、他者への配慮を合わせたユニークな遺伝子配列を日本人は持つのか」と驚いている。唯一の被爆国であり戦争の壊滅の末に、よみがえった日本、先進技術を誇りながらも自然の猛威にさらされる日本を神秘性を持って見つめる。大きな影響力を持つ英経済コラムニストのマーティン・ウルフ氏は「悲劇に鍛えられた文明があるとすれば、それは日本だ。日本人は(悲劇を)乗り越える」と書いた。

歴史が培った「我慢の美学」

 地震から1カ月の4月11日、米首都ワシントンの大聖堂で開かれた「日本のための祈り」では、宮沢賢治(1896~1933年)の「雨ニモマケズ」が紹介された。朗読された一節「アラユルコトヲ/ジブンヲカンジョウニ入レズニ」という他者優先の思想は、米社会には新鮮だろう。

 我慢を歴史的に掘り起こしたのが、米小説家のポール・セロー氏(70)だ。危険を冒し原発の冷却作業に当たる技術者は、南朝軍の楠木正行(くすのきまさつら、1326~48年)が圧倒的な戦力の足利軍と交えた48年の「四條畷(しじょうなわて)の戦」を日本人が今も美化するのを思い出させると言う。歴史的な惨禍が続く日本で、「サムライ精神」は固有の美学として生き続けていると見る。

 だが、欧米がたたえる日本らしさは原発事故では逆効果となった。フランスの経済思想家ジャック・アタリ氏(67)は、日本人の「プライドと傲慢、秘密好き」は事故の深刻さを隠したと批判、原発情報を公開し事故処理で国際的な支援を受け入れても「恥ではないのだ」と呼び掛けた。日本人よ我慢するなというわけだ。

 美徳である服従心は政府や事故を起こした東京電力に「大失敗しても猛烈な抗議や社会不安を招かない」(英誌エコノミスト)安心感を与え、今回の事故の遠因となったし、再発防止や復興でも弱さにつながるとの懸念も国際メディアは伝え出した。

科学技術先進国で起きた安全神話の崩壊に世界はショックを受けた。

 大量の放射線を浴びる危険な原発内の事故処理は日本が世界に誇るロボット技術を活用したい、と誰しも思う。米紙ワシントン・ポストは「ロボットで知られる日本だが、原発で役立たず」との見出しの記事で、日本のロボットは「話し、踊り、バイオリンまで弾く」が、原発災害は想定外だと嘆いた。17日にはロボットが原子炉建屋内を調査したが、これは米国が無償提供した。フランスとドイツにも原発災害で活動するロボットが開発されているという。

 米紙ウォールストリート・ジャーナル元発行人のゴードン・クロビッツ氏は先進国日本で起きたこの災害の教訓は、「複雑なシステムが何を起こすかを予想する知識を人間は持っていない」ことだと述べ科学技術立国のおごりを指摘。「最新技術を使いながらもその不確実性を知る」必要があると論じた。

無能な政治突き上げる大衆

 世界のもう一つの関心は日本が変わるかだ。高齢化、赤字、中国の「脅威」を抱え、大震災前から変革は必要だった。

 米国の日本歴史研究家マイケル・オースリン氏はこれまで日本人は統治を何でも受け入れてきたのではなく、江戸期の百姓一揆を例に、有事に無能な政治は大衆の突き上げに遭ってきたと指摘した。

 米政治評論家E・J・ディオンヌ氏(58)は、日本で始まった自発的な団結の動きや独創的な被災者支援に着目し、「改革とは上からではなくて、下から起きるものだ」と断言、民衆主導の変革の到来を予想している。

       ◇

 【東日本大震災の被害者数】(4月18日午後6時現在)

死者確認    1万3895人

行方不明者   1万3864人

避難者    13万7696人

警察庁まとめ
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とてもいい記事ですが、素晴らしい内容が外国のものばかりというのがえらい気になる。日本の知識人は何処にいるのか?いないのか!!!


2011年4月17日日曜日

爆発現場は四号機にもあった!!! (読売新聞)

4号機の建屋でも強い水素爆発?写真で明らかに

福島第一原発4号機のコンクリート外壁が吹き飛んだ原子炉建屋(東京電力提供)

 東京電力は16日、遠隔操作の米社製無人ヘリ「Tホーク」が撮影した福島第一原発の写真を公開した。

 4号機原子炉建屋の外壁が10メートル以上離れた配管の上まで飛ばされた様子をとらえており、奈良林直・北海道大教授(原子炉工学)は「相当強い爆発が起きた証拠で、4号機でも大量の水素が発生したと考えられる」と話す。

 4号機は定期検査中で稼働しておらず、原子炉内の核燃料は使用済み核燃料一時貯蔵プールへ移されていた。ヘリは最大で10キロ・メートル離れた場所から無線操縦でき、原子炉建屋の撮影に用いられた。

(2011年4月17日01時34分  読売新聞)

 http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20110416-OYT1T00803.htm


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110416-00000803-yom-soci

菅直人総理の隠蔽体質

日本国は既に末期癌(福島第一原発事故:レベル7を指す)におかされているにもかかわらず、気象庁の陰に隠れた首相官邸発表にはそれを隠す意図的な隠蔽工作が認められる。


=======その証拠を発表データから証明する。=======

4月16日11時15分
測定エリア83双葉郡浪江町赤宇木椚平
(約20km北西)

4月16日11時42分
測定エリア104
双葉郡葛尾村大字落合字落合
(約25km西北西)

と、上記のデーターにはあるが、測定エリア83双葉郡浪江町赤宇木椚平は、測定エリア104双葉郡葛尾村大字落合字落合とほぼ同心円の距離にあり、測定エリア83は、測定エリア104と同じく、正しくは福岡第一原発からの距離は約25kmであるにもかかわらず、わざとデーターには(約20km北西)と表示し、しかも日々の官邸発表から消去したりもする。また数値が減少した日によっては表記するという行為を繰り返した。さらに、福島第一原発からの20kmの同心円上の地点であるという印象を与える地図を作成した。一方104双葉郡葛尾村大字落合字落合は、同心円30kmにほど近い印象を与える。このような悪質な目的をもった計画でこの図は作成されているのである。
 これは明らかに数値ならびに距離感覚を国民に悟らせないための作為的違法行為であることがここに証明された。






福島第一原発の地図 (読売オンラインより)

2011年4月16日土曜日

記事紹介 * The Wall Street Journal


【日本版コラム】問われる日本のエネルギー将来像(1)
       野尻哲也のアントレプレナー・アイ
                 * 201141514:30 JST
 東日本大震災が発生して、早くも1カ月余りがたつ。日本の現代史に深く刻まれたこの悲劇は、さらに不幸なことに福島原発の壊滅的な事故を伴った。この原発事故は国民に大きな衝撃を与えたばかりか、燃料資源の乏しい我が国のエネルギー問題となって重くのしかかることになる。しかしながら、希望を捨ててはいけない。今こそ日本のエネルギーについて国民的議論を深め、その将来像を描く大きな転機とすべきである。

     Reuters  福島第1原発3号機

現実と向き合い、未来に投資する
 原子力発電のリスクを国民が目の当たりにした今、原子炉の更なる増設を語ることは容易ではない。また事故だけではなく、放射性廃棄物やウランの輸入依存といった難題が原子力発電には付きまとう。しかし電力の安定供給という実利は大きく、原子力発電を「今すぐ全て撤廃するか」、「更に推進するか」という単純な二項対立は生産的とは言えない。その上で個人的な考えを述べるなら、「既存の原子炉の安全性を極力高めつつも、それらへ依存するのではなく、段階的に原子炉を減らせるよう代替手段の開発と省エネに時間をかけて注力する」という方向へ、エネルギー政策を転換することが望ましいように思う。

 それでは原子力を代替し得る電力をどのように作るのか。
 まず当面の現実的な電力供給に関しては、火力発電がこれまで同様に大きな役割を果たすと見られる。日本は火力発電に関して先端的な技術を有しており、発電効率の向上や有害ガスの除去などの更なる高度化を期待したい。また資源価格が高騰した結果ではあるが、シェールガスやオイルサンドなど新世代の化石燃料の採掘も進んでいる。ただし、いずれも枯渇資源には変わりないため、やはり中長期的にこれらに依存するのはリスクが大きい。
 そこで新たな選択肢となる、持続可能な自然エネルギーについて考える。今や自然エネルギーは、驚くほどのスピードで進化している。とはいえ本格的な普及に向けてはなお発展途上であり、火力や原子力など既に成熟した電源と比較すると、いまだ効率面で見劣りするのも事実。しかしこれは大人と子供を比べるようなもので、自然エネルギーに関してはポテンシャルを見極め、未来に向けて育てていく発想が重要だ。
 例えば日本の太陽光発電は、住宅用のみで75万件ほどが設置済みとみられる。1件当たりの平均設置容量は約3.7kWであるため、最大出力ではおよそ270kWの発電を見込むことが出来る。出力だけを単純比較すると、これは原子炉2.5基分に相当する。もちろん全ての太陽光パネルが常に好条件で発電できるわけではなく、設備の経年劣化なども考慮しなければならないため、実際の発電量はもっと少ない(ピーク時で6070%程度)。だが普及率は持ち家一戸建てのわずか2.5%に過ぎず、ポテンシャルは相当に大きいと言えるのではないか(※1)。しかもこの数値には、共同住宅や公共施設、工場・商用施設・遊休地などへの設置は含まれていない。
 ただし、太陽光発電は夜間や悪天候時には十分に発電できないため、通年での発電量は原子力や火力に大きく劣る。それでも特に電力需要の強まるピークタイム(夏季の日中)では太陽光の発電効率も高まるため、電力供給において大きな役割を果たすことが可能だ。
 風力発電のポテンシャルも大きい。風力発電といえば、総電力の10%を風力で満たすドイツが世界的に有名だ。またスペインも風力発電大国で、好条件が重なった結果とはいえ、過去には総電力の40%(約1000kWh・原子炉10基分)を風力が供給したこともある。最近ではアメリカや中国も急速に風力発電を推進し、特に昨年の中国は容量比で日本の75倍もの風力発電を建設した。風力発電は自然エネルギーの中でも比較的発電コストが安いため、世界中で急速に普及が進んでいる。
 その一方で、近年の日本の風力発電は停滞気味だ。以前は地方自治体を中心に積極的に試されたものの、当時は技術的に未熟で環境アセスメントも無かったことから、故障や騒音などの問題が多発してしまった。故障した風車の姿は実に痛々しいこともあって、そのトラウマからなかなか抜け出せないでいる。
 しかし近年では設備の高度化はもとより、公害や生態系への影響に配慮した設置ガイドラインが整備され、問題は解決され続けている。また、より安定した風を得られ、設置場所の制約も少ない洋上風力発電も欧米で実用化された。
 アイスランドの20%の電力を補う地熱発電も、同様に火山地盤にある日本で期待できる。現在日本には18か所の地熱発電所があり、合計で原子炉0.5基分ほどの電力を安定供給している。地熱発電は事故リスクが小さいため、無人で運営される発電所も存在するほどで、風力と同じく発電コストは安価だ。
 水力発電に関しては立地制限や生物多様性の観点から、日本で新たに大規模発電所を建設するハードルは高い。他方、小型水力という新たな選択肢が登場しており、小さな河川でも数kWを安定的に発電することが可能となった。また、生ゴミや木質ゴミが無尽蔵に廃棄される日本では、バイオマスも大いに期待できる。なお、地熱、水力、バイオマスは太陽光と風力に比べ、はるかに安定的に発電することが可能だ。

日本の資源は「人」にあり
 自然エネルギーはこのように大きなポテンシャルを有するものの、現時点では普及への課題も多い。とりわけ「電力供給の安定性の低さ」、「発電量の少なさ」、「経済性の低さ」が大きなハードルだ。しかし難問に屈することなく、知恵をもって制する姿勢こそが日本の未来を創ることになる。
 課題解決にあたっては、まず技術的進化への更なる注力が必要なのは言うまでもない。しかしそれと同時に、少数の電源に依存するのではなく、様々な自然エネルギーと既存電力が互いに補完し合うベストミックスを構築することが重要だ。特に太陽光や風力は発電の安定性に欠けるため、他の電源で機動的にサポートする仕組みが必要とされる。
 加えて電力を効率的に得るためには、自然エネルギーを適材適所で利用することも大きなポイントとなる。風通しが良く土地の豊かな北海道では風力、建物と人口が密集する東京では太陽光とバイオマスといった形で、地域ごとの環境適性をベストミックスに反映することが好ましい。エネルギーの地産地消サイクルとも呼ばれるが、福島原発に見られるような、都市部の電力供給の負担を地方に押し付けるという構造を可能な限り解消したいものだ。
 このように自然エネルギーには課題が存在するが、だからと言って思考停止してはいけない。実際、日本の電力を自然エネルギーに託すことついて、「そんなことできない」と冷笑する人も少なくない。しかし実現可能性が高まる一方で、このような後ろ向きの精神性がなお存在するのは非常に残念だ。そもそも私たち日本人は困難に挑戦してきたからこそ、小国ながら大きな繁栄を築き上げてきたのではないだろうか。多くの方が口にするように、私もまた「日本の資源は人にある」と考える。従ってその人的資源を最大限に活用し、持続可能な自然エネルギーの開発と普及に国を挙げて努めてみてはどうだろうか。

1 太陽光パネルの設置件数・平均設置容量は経産省補助金事業の申請件数および平成20年住宅・土地統計調査(総務省)より筆者が算出した。

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             野尻哲也(のじり・てつや)
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 経営コンサルティング会社で、大手商社、レジャー、流通、通信、官公庁などへのマーケティング戦略策定および新規事業開発プロジェクトに参画。その後、高級家具・デザイン会社に転出しプロダクトマネージャーおよびウェブ事業開発を担当する。2004年に株式会社UNBINDを設立。ウェブ事業のプロデュースのほか、ITベンチャーやマスメディア、プロ野球球団、ダンスカンパニーなどへの経営コンサルティングとハンズオンマネジメントを展開し、現在に至る。新著に「成熟期のウェブ戦略-新たなる成長と競争のルール」(http://amzn.to/nojiri01、日本経済新聞出版社)がある。

日本の原発事故で「ドイツは原発を廃止」と独首相が記者会見

独首相“原発を早く廃止したい”

4月16日 4時36分 動画あり twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)
東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けてエネルギー政策の見直しを進めているドイツのメルケル首相は15日、「原発をできるだけ早く廃止したい」と述べて、原発の稼働期間の延長を柱とした、みずからのエネルギー政策を改める意向を示しました。
ド イツのメルケル首相は、去年秋、国内にある原発17基の運転を平均で12年間延長する方針を決めましたが、福島第一原発の事故を受けて、この決定を3か月 間凍結し、原発を含めたエネルギー政策の見直しを行っています。15日には、16すべての州の首相や関係閣僚を集めて、エネルギー政策について協議を行い ました。このあとメルケル首相は記者会見し、「われわれはできるだけ早く原発を廃止して再生可能エネルギーに移行したい」と述べ、原発の稼働延長を柱とし たみずからの政策を転換する意向を示しました。そのうえで、風力や太陽光などの再生可能エネルギーの普及に向けた議論を加速させる方針を示しました。ドイ ツでは9年前、前の政権のもと、原発の運転を2022年ごろまでに、すべて停止するとした「脱原発法」が制定されたのに対し、メルケル政権は、代替エネル ギーの普及が追いついていないなどとして原発の稼働延長に大きくかじを切ったばかりでした。

2011年4月15日金曜日

大震災の津波、宮古で38・9m…明治三陸上回る (読売オンライン)

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110415-OYT1T00389.htm 特集 巨大地震  東日本大震災の津波が、岩手県宮古市の重茂(おもえ)半島で38・9メートルの高さまで達していたことが、東京海洋大学の岡安章夫教授の調査で分かった。  岸から400メートル離れた同半島の姉吉漁港近くの山の斜面で、津波によって木が倒れていることを発見した。  斜面を駆け上がった津波の遡上(そじょう)高として、明治三陸地震(1896年)の記録を初めて抜いた。明治三陸地震では、同県大船渡市の綾里(りょうり)地区の38・2メートルが最大記録。東日本大震災では、宮古市田老(たろう)地区の小堀内漁港近くでも37・9メートルの遡上高が確認されている。 (2011年4月15日13時26分  読売新聞)

福島県内学校の75%が放射能「管理区域」レベルの汚染 (東洋経済オンライン)


 東京電力福島第1原子力発電所の事故から1カ月。その間放出される放射性物質は、福島県を中心に確実に広まっているようだ。同原発から約40キロメートル離れた、福島県飯舘村で、そのデータが示された。
  32829日に京都大学原子炉実験所の今中哲司氏を中心とする飯舘村周辺放射能汚染調査チームが行った空間・土壌での調査結果によると、315日からの積算での被曝量は、同村内で最高95ミリシーベルト(曲田地区)に達した。また、同村役場で30ミリシーベルトと予測されるとの結論が出た(→参考:原発30キロ圏外の福島県飯舘村でも、局所的に避難レベルの高濃度放射能、京大研究者ら調査)。
 原子力安全委員会が『原子力施設等の防災対策について』で定める「屋内退避及び避難等に関する指標」では、1050ミリシーベルトで「自宅等の屋内へ退避すること」、50ミリシーベルト以上の時は「コンクリート建屋の屋内に退避するか、または避難すること」とされている。これに照らし合わせると、飯舘村の放射能汚染状況がすでに深刻なものになっていることが示されている。
 また、1986年のチェルノブイリ原子力発電所の事故では、高汚染地域の住民が平均50ミリシーベルト、汚染地域の住民が平均10ミリシーベルトを被曝したとされている。
 同チームは28日に飯舘村に入り、翌29日に本格的な計測を実施。同村内の130点での放射線量を測定した。空間線量では、村役場周辺など同村北西部の放射線レベルは毎時57マイクロシーベルト、そこから北方の伊達市方向へ向かう峠を越える地点では同23マイクロシーベルトに減少したという。ところが、同村南部では毎時10マイクロシーベルトを超える放射線レベルが認められた。
 一方、土壌の汚染密度を分析した結果、最も高い曲田地区では、放射能のヨウ素131(半減期8日)が1平方メートル当たり約3260キロベクレルを記録。同じ放射能のセシウム137(同30年)は同約 2200キロベクレルを記録している。役場では、ヨウ素131は約1170キロベクレル、セシウム137は約680キロベクレルとなっている。今中氏は、 1986年に発生したチェルノブイリ原発事故当時、原発から半径30キロメートル以内の住民が強制避難となった際の基準が、1平方メートル当たり1480 キロベクレルだった、と指摘。「とにかく重大な汚染状況になっていることは確か」と言う。
 一方、福島県は457日にかけて、全県の小中学校などを対象に放射線モニタリングを実施した。その結果(→こちら)、調査対象の小中学校などの759%が、法令で定めるところの「放射線管理区域」基準を超えていることが観測されている。また、全体の204%が、管理区域よりもさらに厳しい管理が求められる「個別被曝管理」が必要となりうる放射線が観測された。
 「管理区域」とは、人が放射線の不必要な被曝を防ぐため、放射線量が一定以上ある場所を明確に区域し、人の不必要な立ち入りを防止するために設けられる区域。また、「個別被曝管理」とは、放射線業務従事者が被曝量の許容値を超えないようにするため、区域内で受ける外部被曝線量や内部被曝線量を、一人一人個別に計り管理することを意味する。管理区域の場合、実効線量が3カ月で13ミリシーベルト。空間線量率で1時間当たり0622マイクロシーベルトを3カ月そのまま浴び続ける計算となる。また、それ以上だと個別被曝管理の対象となる。
 福島県内では特に福島市などの県北地域、また南相馬市などの相双地域では、9699%の学校で「管理区域」基準を超えている。さらに県北地域の565%で「個別被曝管理」が必要な水準の放射線量が測定されている。
 福島県内の小中学校では、456日からすでに学校は始まっている。そのため、福島老朽原発を考える会の阪上武代表は「放射線に対する子どもへの影響は大人よりも大きいため、新学期の延期を要請していく。また、学校単位の学童疎開も各自治体が検討すること、これにかかわる費用を国が支援することを求めていく」と言う。
 学校では、校庭などに放射能がある場合、風によって舞い上がるのはもちろん、背が低い子どもたちが大人よりも放射能の影響を地面から受けやすい。子どもの健康を考える場合、いち早い対策が求められる。
(福田 恵介 =東洋経済オンライン)

***参考***