今回はポールを使わない方が効果がある場合について説明します。
●その11『こんな場合はポールを使わない』
(歩行整体ではポールを使わないこともある)
ノルディックウォーキングやポールウォーキングは必ずポールを使いますが、
歩行整体ではポールを使わない場合があります。
というよりも、ポールを使わないほうが良い場合があるのです。
いったい、それはどんな時でしょうか。
じつは、肩甲骨の動きが悪く硬くなっている人の場合です。
肩甲骨は、背中の上方にある対になった三角形の骨で、
腕の動きと連動していますので腕の付け根ともいえる骨です。
そして、背中の上を上下左右に滑って動いています。
この骨の動きが悪いと、腕が上がりにくい、後ろに回しにくい、
背中をすぼめにくいなどの腕から背中にかけての障害が出ます。
(肩甲骨が硬い場合の問題点)
では、なぜ硬くなるかというと、理由はいろいろあります。
腕や肩の柔軟体操をあまりせずに硬くなった人もいますし、
座り仕事の比率が高く、姿勢タイプの肩こりになり、
胸郭、あばら骨周りの弾力が失われた場合にも起こります。
では、どうして硬くなると問題なのでしょうか。
肩甲骨の動きが硬くなると、肩背部の肩こりがひどくなりますし、
胸郭や背骨が硬くなり、腕の動く範囲が制限されたり、
上半身の柔らかい動きが出来なくなります。見た目にも硬い感じに写ります。
何より一番問題なのは、ここが硬いと上半身の整復力が落ちるからなのです。
つまり、歩行整体の障害となります。
(肩甲骨が硬い場合の対処法)
ポールを使った歩行整体では、
ポールを後ろにつき、その反発力で体を前に押し出すのですが、
肩甲骨が硬い人の場合、ポールを後ろにつけないのです。
つまり、肩甲骨の動きが硬いせいで、腕を後ろ側まで振れないのです。
腕がよく振れないと、いつまでたっても上半身が柔らかくなってきません。
そこで、改善策をいろいろ試してみた結果、結論が出ました。
それは、ポールを持たないで歩行することです。
ただし、何でもいいわけではなく肩甲骨を柔らかくする歩き方があります。
(高い効果がある二足歩行の積極的歩行法)
その方法とは、歩くときに肘を直角以上に曲げて歩く方法です。
歩行整体以前に行っていた歩行療法の二足歩行の積極的歩行法がそれです。
肘を直角以上に曲げ、ランニング時に腕を振るが如く腕を振ります。
それも、後ろに引くように振るのです。
この時、前に振ることは意識しなくてけっこうです。
ただ、ただ、後ろに引くことに意識を集中して歩いて下さい。
そうすると、硬かった肩甲骨は短期間の内に動きが良くなってきます。
肩甲骨が柔らかく全方向に良く動く、その段階まで来れば、
ポールを持って歩行しても腕が後ろまで振れるようになっています。
それまでは、ポールを持って歩く日と、
ポールを持たずに腕をしっかり振って歩く日に分けることをオススメします。
その比率はケースバイケースです。
かなり肩甲骨が硬い場合は、週1回ポールを持ち、
週3回はポールなしで腕を振るという感じでしょうか。
(あくまでも整体効果が優先)
歩行整体はポールを使った四つ足歩行といいながら、
今回、ポールを使わない方がいい場合もあると言いました。
結局、何が言いたいのかというと、
歩行整体は、ポールを持つスタイルのポールウォーキングなどとは違うということです。
その違いは、歩行整体は、その外見スタイルをいうのではなく、
あくまでも、その整体効果こそを優先するということです。
つまり、通常ポールを持って歩く方がより効果が高いから、
ポールを持って歩くわけで、場合によりポールを持たない方が効果があれば、
ポールを持たない歩行整体の価値が高ければ、それもまた良しなのです。
私の提唱する歩行整体は、効果第一主義です。
その外見ではなく、中味を重視しているのです。
今回は、ポールを持たずに歩く方がより効果が高いケースでした。
こういうことも、ありだと考えています。
最後に、ポールを持って肩甲骨周りを柔らかくできる方法が一つだけあります。
それは、長い上り坂を歩くコースに恵まれている人だけが味わえる方法です。
上り坂では、腕を後ろ下方向に伸ばさざるを得ませんので結果的に効果が出るのです。
--【今回のポイント】--------------
効果を出すためにはポールを持たない歩行整体が必要な場合もある。
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