2011年3月29日火曜日

東京電力発表pdf文書を記録する


以下はpdf版より------------------------------
プレスリリース/ホームページ掲載情報  
発表日付 03.29
件  名「福島第一原子力発電所プラント状況等のお知らせ」
備 考(3月29日 午前1000分現在)

<福島第一原子力発電所プラント状況等のお知らせ>
(3月29日 午前10時現在)
平成23年3月29
東京電力株式会社
福島第一原子力発電所
福島第一原子力発電所は全号機(1~6号機)停止しております。
1号機(停止中)
・3月12日午後3時36分頃、直下型の大きな揺れが発生し、1号機付近で大きな音があり白煙が発生しました。水素爆発を起こした可能性が考えられます。
・3月23日午前2時30分頃、給水系から原子炉への海水注入を開始しました。
・3月24日午前1050分頃、原子炉建屋屋根部から白いもや状の湯気が出ていることを確認しました。
・3月24日午前1130分頃、中央制御室の照明が点灯しました。
・これまで原子炉へは海水を注入しておりましたが、3月25日午後3時37分より淡水の注入を開始しました。
・これまで消防ポンプにより淡水を原子炉に注入しておりましたが、3月29日午前8時32分、仮設の電動ポンプにより注入するように切り替えを行いました。
2号機(停止中)
・3月15日午前6時頃に圧力抑制室付近で異音が発生、同室の圧力が低下。
・3月21日午後6時20分頃、原子炉建屋屋根部から白いもや状の煙が発生しましたが、3月22日午前7時11分時点でほとんど見えない状態まで減少していることを確認しました。
・これまで原子炉へは海水を注入しておりましたが、3月26日午前1010分より淡水(ホウ酸入り)の注入を開始しました。
・3月26日午後4時46分頃、中央制御室の照明が点灯しました。
・これまで消防ポンプにより淡水を原子炉に注入しておりましたが、3月27日午後6時31分、仮設の電動ポンプにより注入するように切り替えを行いました。
3号機(停止中)
・3月14日午前11時1分頃、1号機同様大きな音とともに白煙が発生したことから、水素爆発を起こした可能性が考えられます。
・3月16日午前8時30分頃、原子炉建屋から水蒸気のようなもやの発生を確認。
・3月17日午前6時15分頃より、圧力抑制室の圧力の指示値が上昇していることから、安全に万全を期すため、3月20日、原子炉格納容器内の圧力を降下させる措置(放射性物質を含む空気の一部外部への放出)を行う準備を進めていましたが、現在の状態は、直ちに放出を必要とする状況ではないため、今後、圧力の状態などを注視してまいります。
・3月21日午後4時頃、原子炉建屋からやや灰色がかった煙が発生しましたが、3月22日時点で白みがかった煙に変化しており、終息に向かいました。
・3月22日午後1045分頃、中央制御室の照明が点灯しました。
・3月23日午後4時20分頃、原子炉建屋から黒色がかった煙が発生していることを確認しました。その後、午後1130分頃ならびに3月24日午前4時50分頃、当社社員が煙の発生が止んでいることを確認しました。
・これまで原子炉へは海水を注入しておりましたが、3月25日午後6時2分より淡水の注入を開始しました。
・これまで消防ポンプにより淡水を原子炉に注入しておりましたが、3月28日午後8時30分、仮設の電動ポンプにより注入するように切り替えを行いました。
4号機(定期検査で停止中)
・3月15日午前6時頃、大きな音が発生し、原子炉建屋5階屋根付近に損傷を確認。
・3月15日、16日にそれぞれ原子炉建屋4階北西部付近において、出火を確認し、消防署等へ連絡しましたが、いずれも自然に火が消えていることを当社社員が確認。
・現時点において、原子炉格納容器内での冷却材漏えいはないと考えております。
5号機(定期検査で停止中)
・安全上の問題がない原子炉水位を確保しております。
・3月19日午前5時、残留熱除去系ポンプ(C)を起動し、使用済燃料プールの冷却を開始しました。
・3月20日午後2時30分、原子炉は冷温停止状態となりましたが、3月23日午後5時24分ごろ、仮設の残留熱除去系海水ポンプの電源を切り替えた際、自動停止しました。その後、3月24日午後4時14分頃、交換したポンプを起動し、同日午後4時35分頃、原子炉の冷却を再開しました。
・現時点において、原子炉格納容器内での冷却材漏えいはないと考えております。
6号機(定期検査で停止中)
・安全上の問題がない原子炉水位を確保しております。
・非常用ディーゼル発電機(A)の修理が完了しました。
・3月19日午後1014分頃、残留熱除去系ポンプ(B)を起動し、使用済燃料プールの冷却を開始しました。
・3月20日午後7時27分、原子炉は冷温停止状態となりました。
・代替の残留熱除去系海水ポンプ2台について、3月25日午後3時38分および午後3時42分に仮設の電源から本設の電源に切り替えを行いました。
・現時点において、原子炉格納容器内での冷却材漏えいはないと考えております。
本日の使用済燃料プールの冷却作業
・今後も使用済燃料プールの状況を確認しながら、必要に応じて放水したいと考えております。
負傷者等
・当社社員2名が現場において、所在不明(3月11日発生)
・3月24日、3号機タービン建屋1階および地下において、ケーブル施設作業を行っていた協力企業作業員3名について、約170mSv以上の線量を確認。そのうちの2名について、両足の皮膚に汚染を確認し、除染を行ったものの、ベータ線熱傷の可能性があると判断したことから、福島県立医科大学付属病院へ搬送しました。また、3月25日、残り1名も福島県立医科大学付属病院に移動し、その後、千葉県にある放射線医学総合研究所に計3名が入院し、3月28日に退院しました。
なお、本事象につきまして、更なる放射線管理の徹底と被ばくの作業管理に万全を期すため、本事象の教訓と今後の対策をまとめ、国等へ説明を行っております。
作業開始に先立ち、関係者へ周知するとともに、今後の管理に万全を期してまいります。
その他
・モニタリングカーによる発電所構内(屋外)の放射性物質(ヨウ素等)の測定値が通常値より上昇しており、以下のとおり、原子力災害対策特別措置法第15条第1項の規定に基づく特定事象(敷地境界放射線量異常上昇)が発生したと判断しています。
・3月12日午後4時17分に判断(MP4付近)
・3月13日午前8時56分に判断(MP4付近)
・3月13日午後2時15分に判断(MP4付近)
・3月14日午前3時50分に判断(MP6付近)
・3月14日午前4時15分に判断(MP2付近)
・3月14日午前9時27分に判断(MP3付近)
・3月14日午後9時37分に判断(発電所正門付近)
・3月15日午前6時51分に判断(発電所正門付近)
・3月15日午前8時11分に判断(発電所正門付近)
・3月15日午後4時17分に判断(発電所正門付近)
・3月15日午後11時5分に判断(発電所正門付近)
・3月19日午前8時58分に判断(MP5付近)
なお、測定値が500μSv/hを超過した後、500μSv/h付近で下降、上昇を繰り返した場合、同一事象が継続していると考え、改めて原子力災害対策特別措置法第15条第1項の規定に基づく特定事象(敷地境界放射線量異常上昇)が発生したという判断は行わないこととします。ただし明らかに異常な値が計測され、同一事象でないことが明らかな場合は、速やかに判断するとともにお知らせしてまいります。
・放射性物質放出の恐れがあるため、半径20km以内の地域住民に対して国から避難指示が出されており、また半径20kmから30kmまでは自主避難指示が出されています。
・3月21日午前1037分から共用プールへの水の注水を開始し、同日午後3時30分頃終了しました。(当社実施)
・3月24日午後3時37分頃、外部電源から共用プールへの電源供給を開始し、その後午後6時5分頃、燃料プール冷却ポンプを起動し、プールの冷却を開始しました。
・乾式キャスク建屋のパトロールを実施したところ、外観目視点検の結果異常はなく、今後詳細に点検します。
・5、6号機の原子炉建屋屋根部に、水素ガスの滞留防止のための穴(3箇所)を開けました。
・使用済燃料プールへの放水および原子炉への注水に使用している消防車は、東京消防庁の他にも各地消防本部*から12台の貸与を受けております。また、新潟市消防局および浜松市消防局からは、大型除染システムの設置、運用に関するご指導を受けております。
* 郡山地方広域消防組合消防本部、いわき市消防本部、須賀川地方広域消防本部、米沢市消防本部、会津若松地方広域市町村圏整備組合消防本部、宇都宮市消防本部、さいたま市消防局、新潟市消防局
・3月22日までに1~6号機の外部電源の受電を開始しました。
・3月27日午後3時30分頃、1~3号機タービン建屋外のトレンチの立坑に水が溜まっていることを確認しました。水表面の線量は、1号機が0.4mSv/h、2号機が1,000 mSv/h以上でした。なお、3号機については、がれきが障害となり線量を測定することができませんでした。引き続き、立坑内の水を監視してまいります。
・安全の確保に向け全力を尽くしてまいるとともに、引き続き周辺環境のモニタリングを継続・監視してまいります。
以 上
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ふくしまライブカメラ
http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/camera/index-j.html

2011年3月25日金曜日

原子力発電を考える石巻市民の会(転載)

参照:  http://shiminnokai.info/cat58/post-5.html 2011年3月19日 津波に襲われ廃墟と化した県原子力センター 女川原発周辺の放射線監視システムは壊滅状態 いきなり、かつて経験したことのない強く長い揺れが家を襲い、間もなく、高い津波が来るので避難してくださいとの石巻市の警報が流れたので、90歳になる寝たきりの母を車椅子に乗せ妻や長男夫妻、長女と近くの小高い丘(日和山)に避難したのは、11日午後のことでした。 それから今日で早くも9日が経ちました。 まだ、悪い夢をみているかのようです。 この地震は、なんとマグニチュード9の巨大地震との 津波被害は、岩手県から福島県にかけての大平洋沿岸と、かつてない広域に渡っているようです。 まちや道路が水をかぶって鰐山と日和山一帯が孤立し、また、停電するなどして一切の通信手段が断たれたため、一時は同じ石巻市に住む親戚や仲間との連絡もできなくなってしまいました。 幸いなことに、14日、外部に通じる道路の一部が通れるようになったので早速それまで行けなかった場所で安否の確認をして回りました。 きのう19日、電話やインターネットもできるようになったので、これから何回かに分けて、今回の地震と津波に関して直接目にしたことを中心に報告したいと思います。 ◆ ◆ ◆ 子供や親戚などの安否とともに心配だったのは、女川原発の状態。 13日、今や唯一の通信手段となった携帯ラジオのニュースで、同原発の敷地境界のモニタリングポストの放射線測定値が1時間あたり21マイクロシーベルト(通常値の700倍)にまで上昇したことを知りました。 3基とも(冷温停止状態に持ち込むことができて)安定した停止状態にあり、排気筒モニターの測定値も非常に低いので、モニタリングポストの測定値の上昇は女川原発とは関係がない。 上昇は福島第一原発から放出された放射性物質の影響によるもの。 こう東北電力は見ているとのこと。 しかし、女川原発の周囲の環境放射線量を常時測定している11箇所のモニタリングステーションの値に全く触れないのはどうしてなのでしょうか。 本当に3基とも冷温停止に持ち込めたのでしょうか。  13日、地盤が低下したのか「水攻め」状態の市役所に膝までの水を漕いで渡り戦場のような忙しさの防災対策課に行って聞いてみると、前日に石巻地域消防本部から無線電話で、福島第一原発から放出された放射性プリューム(気団)が女川原発方面に流れていると連絡が入ったが、それ以外は、原子力安全・保安院(ふあんいん)と間の衛星電話を含めてあらゆる通信手段が使用不能状態で、電力からも国からも県からもどこからも何の連絡も入ってきていないというではありませんか。 ひとまず女川原発の状態については安心したものの、隣の県の福島原発の何基もが放射能放出事故を起こしているだけに、ますます女川原発周辺のモニタリグ施設がどうなっているのかが気になってきました。 3月14日、女川方面もどうにか遠回りで通れるようになったようなので、親戚などの安否の確認を兼ね石巻から自転車で女川に向かいました。 下の一連の写真は、その際に目にした女川浜伊勢にある宮城県原子力センター等の様子です。 DSC_0275.JPG 原子力センターの手前の道路は小石や土砂でおおわれ、どこが道なのかわからなくなっていました。 電柱は津波で根元から押し倒され、木造の家はずっと先の山ぎわに至るまで、ほとんどが流されてなくなっていました。 DSC_0265.JPG 2階建ての原子力センターは津波に呑まれ、玄関も2階の窓も全部破壊されていました。 職員や女性事務職員は、すぐに仕事を打ち切って無事に高台に逃げることができたのでしょうか。 DSC_0266.JPG これは、正面の入口などの様子です。 2階の向こう側の窓ガラスなどもみな壊れているのがわかります。 県原子力センターは、女川原発周辺の環境放射線や環境放射能(放射性物質)の測定・監視を行なっている中心施設。 宮城県は、環境放射線については、同センターと11か所(県分7か所、電力分4か所)のモニタリングステーションおよび放水口モニター(3箇所)をテレメーターシステムでつないで、空気中と海水中のガンマ線(放射線の一種)をリアルタイムで測定・監視しています。 そして、毎分毎時、周辺公衆の受ける放射線量が「法令値(年1ミリシーベルト)を十分下回っていることを「確認」し、また「原子力発電所からの放射性物質の環境への予期しない放出」を監視しています。 その環境放射線監視システムが、今回の地震・津波で根こそぎ破壊されてしまったのです。 夕方、親戚の安否を確認しに行った避難所の一つの町総合体育館で、町の災害対策本部が下隣りの女川第二小学校に置かれたことを知りました。 夜になって災害対策本部を訪ね企画課長さんなどから聞いた話では、原子力センターの職員2人と女性事務職員2人が行方不明になっているとのことでした。 幸い石川所長は助かって、この日朝、仙台の県庁に向かったとのことでしたが…。 (女川町には国からも電力からも県からもどこからも何の連絡も入っていなかった) DSC_0268.JPG これは、隣にある国の原子力保安検査官事務所兼原子力防災対策センターです。 屋上から垂れかかっているものは、近くの工場か駐車場の屋根のトタンでしょうか。 手前に突き出た玄関はもぎとられてなくなり、中もことこどく破壊されてしまった様子です。 所長さんは行方不明とのことでした。 ◆ DSC_0269.JPG 写真左奥の建物が原子力センター、右が原子力防災対策センター。 女川原発の放射線・放射能監視の中心施設であり、原発事故の際の中心となる施設であるこれらの施設が、津波に呑まれて壊滅状態となろうとは……。 有名な津波地帯に代々住んでいるにもかかわらず、私自身津波を甘く見ていました。 想定をはるかに超えた地震とはいえ、これらの施設の建っている土地はおそらく海抜2メートル未満。 私同様、国も県も、地震特に津波を余りにも軽く見ていたのではないでしょうか。 それが、このような惨状を生んでしまったのではないでしょうか。 福島原発で放出された放射能が風向きによっては海を超えてこちらにもやってきている今、女川原発周辺の放射線モニタリングの状況は、このようなありさまです。  (日下郁郎) ◆ ◆ DSC_0267.JPG 上は、1キロほど先の女川湾の方をふりかえってみた写真。 鉄筋コンクリートの水産加工工場なども骨組みを残しているだけだった。 DSC_0274.JPG 原子力センターの横を通り過ぎ、ずっと先の山ぎわまで進んで右手を見渡すと……、何艘もの船がこんなに奥まで押し流されひっくり返っていた。 参照:  http://shiminnokai.info/cat58/post-5.html

2011年3月19日土曜日

【東日本大震災】(産経ニュース)


「津波の最高到達点、50メートルの可能性も」 関西大社会安全学部長・河田恵昭教授
2011.3.19 20:22

 戦後最大の被害を起こした、地震の特徴や津波の発生状況について関西大社会安全学部長、河田恵昭教授(65)に聞いた。河田教授の専攻は巨大災害、都市災害、総合減災システムなどで、政府の中央防災会議の委員などを歴任している。河田教授は、津波の最高到達点が、海抜50メートルの地域までいった可能性を指摘した。

 --発生の構造は

 河田氏 沖にある太平洋プレート(岩盤)と北米プレートの境界にある岩手沖、宮城沖、福島沖の3つの断層帯が、6分間にわたり(阪神大震災は15秒間)順次壊れていき、南北500キロ東西200キロにわたる巨大地震となった。

 --今回の地震の特徴は

 特徴はふたつある。ひとつは地震がこれまで起きなかった空白域から破壊が始まり、思いもよらず広範囲に地震が広がったことだ。もうひとつは巨大なエネルギーにより、沿岸部の被災地ほぼ全域で地盤沈下が起きたことだ。過去の三陸沖地震では地盤沈下は起きていない。

 --巨大なエネルギーは大津波の原因にもなった

 映像で見る限り地震動による建物被害は大きくなさそうだ。津波の高さは10メートルの堤防を軽々越えた。津波は10~20メートルとかいわれているが、被害状況をみているとそんなレベルではないだろう。地震のエネルギーから考えると、、明治29(1896)年の明治三陸沖大津波(M8・5、死者2万2千人)の4倍以上のエネルギーだから、今回の津波の最高到達点は海抜約50メートルぐらいの所があったのではないか。

 --避難状況をどうみるか

 平日の昼間という時間帯もあるのだろうが、避難誘導する人も少なかったようだ。最初の地震動による家族間の安否確認などで、逃げるのが遅れた可能性もある。あれほどの津波だと、地震が起きた時点ですぐに後背地の高台にでも逃げないと、安全とはいえなかっただろう。

 --全国的に地震被害想定を見直す必要があるか

被害想定を小さく見積もっていた所の対策の見直しや、沿岸部の住宅地の後背地への移転など抜本的な改善が必要だろう。災害対策基本法を抜本的に見直し、国の責任を明確にすることが必要だ。包括的な政策をとるために、各省庁横断的な災害対策庁(仮称)の設置なども議論されていい時期だろう。
(産経ニュース)

【放射能漏れ】 (産経ニュース)

ハイパーレスキュー放水は連続7時間を予定
2011.3.19 12:35
18日午前10時20分(日本時間)に撮影された福島第1原発の衛星写真。3号機からの水蒸気が見えず、2号機の壁の穴からは水蒸気が上がっているのが確認された(デジタルグローブ・ISIS提供・共同)

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18日午前10時20分(日本時間)に撮影された福島第1原発の衛星写真。3号機からの水蒸気が見えず、2号機の壁の穴からは水蒸気が上がっているのが確認された(デジタルグローブ・ISIS提供・共同)

東京電力福島第1原発の事故で、ハイパーレスキュー隊など東京消防庁の緊急消防援助隊が19日午後1時半をめどに、冷却機能を失った第1原発3号機に向け、特殊消防車を使って放水を行う。同日午前0時半の放水に続いて2回目。放水作業は給水などにかかる時間も合わせ、連続7時間を予定している。

東京消防庁は19日、1度目の放水に当たった消防隊員約50人について、作業後に原発付近の拠点で放射線量を検査の結果、「健康被害はなかった」と発表した。検出された放射線量の数値などは明らかにしていない。

この放水では計約60トンの海水が放出されたが、周辺の放射線量の数値や3号機内の燃料プールの水位が上昇したか確認できていないとして「現時点では、どの程度放水の効果があったか分からない」としている。

19日午前には、計14隊102人が追加交代要員として東京から現場に派遣され、現地の部隊と交代して放水作業にあたる。2回目の放水は当初、19日正午から実施する予定だったが、東電の電気復旧作業を優先させるため開始時間を同日午後1時半に延期した。東電の作業の進捗(しんちょく)状況によっては、放水開始がずれ込む可能性もあるという。

1回目の放水では、隊員が車外に出る必要のない「延長車」で水を中継する当初の予定も、防護服を着た隊員が手作業で伸ばしたホースで中継する手法に変更された。強い放射線のため、長時間現場にとどまれず、隊員を交代しての作業が続いたという。

未明の放水後は、機材を現場に残し、隊員らは放射線の影響が少ない拠点にいったん退避。19日午前から、再度の放水に向けた準備に入った。
  (産経ニュース)

2011年3月16日水曜日

静岡の震度6強は誘発か 2011.3.16 14:59 (産経ニュースから)

静岡の震度6強は誘発か 富士山噴火の懸念も… 暴れる巨大エネルギー
2011.3.16 14:59 (産経ニュースから)

静岡県東部で震度6強を観測した15日夜の地震は、11日の東日本大震災をもたらした巨大地震で誘発された可能性が大きい。震源付近では巨大地震の直後から箱根で群発地震が起きており、富士山の火山活動の活発化を懸念する声も出始めた。マグニチュード(M)9.0という巨大エネルギーの「余波」が日本列島を揺さぶっている。

「この場所で過去に地震はあまり起きていない。想像外だ」。防災科学技術研究所・地震研究部の松村正三研究参事は15日夜、驚きの言葉を口にした。

巨大地震の発生後、内陸で大きな地震が相次いでいる。12日の長野県北部の震度6強(M6.7)に続き、今度は伊豆地方でM6.4の地震が起きた。

海溝型の巨大地震が発生すると、地殻にかかる力が変化し、内陸直下型の地震が起きることがある。津波で約2万2千人が死亡した明治29年の三陸沖地震(M8.2)では、約2カ月後に秋田県で陸羽地震(M7.2)が起きた。

ただ、今回の伊豆地方の地震は、巨大地震の三陸沖から遠く離れている。プレート(岩板)構造も巨大地震が太平洋プレートの沈み込み帯だったのに対し、伊豆地方はフィリピン海プレートが陸側に衝突する場所と、まったく違う。

松村氏は「巨大地震は太平洋プレートの北半分が滑ったが、南半分はまだ動いていない。房総半島あたりで踏ん張っている南半分の力のしわ寄せが及んで、西隣のフィリピン海プレートを押し込んだのではないか」と話す。
京都大防災研究所・地震予知研究センターの遠田晋次准教授は、東日本大震災の巨大地震で地殻の断層にかかる力がどのように変化したかを計算した。その結果、東北地方の北上山地や房総半島東沖にかかる力が顕著に増加したほか、長野県の一部などでわずかに増加し、地震活動が活発化するとの結果が出た。

東日本大震災の地震エネルギーがあまりにも巨大だったため、地震学者の多くは、日本列島は東日本を中心に地震の活動期に入ったとみる。ただ、今回の伊豆地方の地震と東海地震の関係については「震源域やメカニズムが違う」(気象庁)と否定的だ。

巨大地震の影響は火山帯にも及んでいる。神奈川県温泉地学研究所によると、箱根火山の周辺では巨大地震の直後から群発地震が発生し、15日夕までに最大M4.8の地震を約850回観測した。火山活動に目立った変化はないものの、カルデラ内で揺れを感じることもあるという。

名古屋大地震火山・防災研究センターの鷺谷威教授は「火山の地下はマグマや熱水で壊れやすいため、群発地震が誘発された」とした上で、「正直に言うと、気持ち悪いのは富士山との関係だ」と明かす。

富士山の直下では約10年前、マグマ活動との関連が指摘されている低周波地震が頻発した。その後、静穏化したが、今回の伊豆地方の地震の震源の深さ約14キロは、この低周波地震の震源に近いという。

鷺谷教授は「富士山は宝永の大噴火から約300年が経過し、いつ噴火してもおかしくない。今回の地震が引き金になる可能性もあり、推移を注意深く見ていきたい」と話している。2011.3.16 14:59 (産経ニュースから)

2011年3月15日火曜日

言葉の紹介

言 葉の紹介:オノ・ヨーコさん「親愛なる日本の人々へ。私自身もそちらにいて一緒に震災に遭ったかのように、ただぼう然としています。つい最近東京を訪ね、 街の美しさ、清潔さ、静けさに感激したばかり。愛する国にこんな惨事が起きるなんて、予想もしていませんでした」「史上最悪の地震に襲われた皆さんに深く 同情します。どんなに恐ろしかったことでしょう。一人ひとりにお見舞いと愛を捧げます。私の心は常にみなさんとともにあります」

2011年3月14日月曜日

産経ニュース【主張】原発事故 情報の発信で不安鎮めよ

産経ニュース【主張】原発事故 情報の発信で不安鎮めよ
2011.3.14 03:00

 東日本大震災によって東京電力福島第1原子力発電所の原子炉が炉心溶融や水素爆発を起こすなど深刻な状況に陥っている。この異常事態で、周辺の住民をはじめ国民の間に不安と混乱が広がりつつある。

 政府と東京電力は、原子炉の冷却と放射性物質の閉じ込めに全力を挙げると同時に、事故の状況を正確にわかりやすく、速やかに伝えていく努力が必要だ。

 第1原子力発電所の1号機(沸騰水型・出力46万キロワット)で起きた炉心溶融と原子炉建屋の外壁を吹き飛ばした水素爆発は、深刻な事故だった。しかし、原子炉圧力容器と格納容器は無事で、多重防護の砦(とりで)によって、核分裂生成物(死の灰)の環境への大量拡散という最悪の事態は回避された。

 それでも多数の住民らが漏れ出た微量の放射性物質で被曝(ひばく)した。命にかかわる放射線量ではないとはいえ、あってはならない事態である。13日には3号機で燃料が熱で変形し、水素がたまった。

 放射能は目に見えない脅威であるだけに、一般人は適切な判断尺度を持ち合わせない。理解可能な情報が適切に提供されないと人々の不安感は増殖してしまう。

 政府は安全上の万全を期すためという理由で、発電所周辺の住民を避難させたが、状況の説明が欠けていた。この点は大いに反省すべきだ。速やかに改善しなくてはならない。

 政府は海外に対しても、今回の原子力事故の適切な情報の発信に努めなければならない。

 多重防護は機能したものの、外国から見れば、炉心の大規模溶融が起きた米スリーマイル島原子力発電所事故や、炉心もろとも大爆発を起こした旧ソ連のチェルノブイリ事故と区別されにくい。

 国民には当然のこと、世界に安心してもらうためにも、広報に力を入れる努力を求めたい。

 第1原子力発電所の事故現場では、原子炉を「止める・冷やす・閉じ込める」の努力が続く。処置を終えた原子炉はまず安全だ。冷静に対応の進行を見守りたい。

 今回の地震と津波で、福島第1と第2原子力発電所などでの発電が停止した。相当な期間にわたって運転再開は望めない。首都圏では、これに伴う電力不足が避けられない。

 節電に協力しつつ、改めてエネルギーの重要性を考えたい。

被災地を支えよう

救助と支援 被災者へ十分な生活物資を(3月14日付・読売社説)

 今も寒さの中で、大勢の人たちが救助を待っている。大地震の発生から2日が過ぎた。救出を急がなくてはならない。
 全国から警察や消防職員らが駆けつけた。政府は自衛隊の派遣を10万人に拡大する。
 米国、韓国、シンガポールなど外国からの救助隊も続々と到着し被災地に入った。
 建物屋上で孤立していた人たちがヘリで救出されたり、沖合15キロで漂流していた男性が2日ぶりに自衛艦に助けられるなど、救助の知らせが各地から入っている。
 犠牲者は宮城県だけで1万人を超える、との見通しもある。だが今は、一人でも多くの救出に全力を尽くすべき時だ。
 自宅や公共施設などに残っている人たちへは、十分な食料や薬などを届けてほしい。
 各地の避難所でも、計30万人以上が身を寄せ合っている。
 避難所だけで1日100万食近い食料が要る計算だ。パン、おにぎりなどが十分に届いていないという。給水車が未到着で、水の確保にも困る所が少なくない。
 自治会組織の炊き出し支援なども行われているが、限界がある。食料や衣類など、生活物資を迅速かつ優先的に被災地へ送る態勢を確保しなければならない。
 ライフラインも寸断された。13日夜も、東北地方などで150万戸以上が停電している。水道、ガスも各地でストップしている。復旧を急いでもらいたい。
 原発事故の影響で、東京電力は管内の各地域で順番に電気を止める計画停電を実施する。
 医療機関や、自宅で医療機器を用いて療養中の患者らに悪影響が出ないようにする必要がある。
 これからは被災地でのボランティア活動が重要になってくる。阪神大震災や新潟県中越地震でも、避難所や各戸を回っての様々な支援活動が、大きな力となった。
 政府は、災害ボランティアの総合調整をする首相補佐官に、NPO出身の辻元清美衆院議員を任命した。窓口を一本化し、被災地のニーズに合った計画的な派遣体制を作ることが求められる。
 一刻も早く駆けつけたいという人が全国に大勢いるだろう。被災地に義援金を送る運動も一斉に始まった。
 大災害から立ち直り、復興に至るまでの闘いが、長期戦になることは間違いない。国民全員で被災地を支えていくことが大切だ。
2011年3月14日01時05分  読売新聞)